結論から。モルモットのうんちは、乾いた粒がいつもどおりたくさん出ていれば健康の目安になり、数が減る・小さくなる・止まるときは早めに動物病院へ相談すべきサインです。
モルモットは体の不調を外に出しにくく、うんちの変化が最初に気づける手がかりになります。
自分のうんちを食べる食糞は、モルモットにとって正常な行動です。
この記事では、正常なうんちの見方、異常と緊急度の早見表、毎朝の記録の仕方、受診時に伝えることを整理します。
- 乾いた粒がたくさん出ていることが、毎日の健康確認の目安になる。
- うんちの量が減る・止まるときは、すぐ動物病院に相談する。
- 自分のうんちを食べる食糞は正常な行動で、やめさせなくてよい。
モルモットのうんちで分かること|正常の目安
モルモットのうんちは、食べる量、腸の動き、水分のとり方をまとめて映す、毎日確かめられる健康の指標です。
英国の動物福祉団体RSPCAは、毎日食べているか、乾いたうんちをたくさん出しているかを確かめるよう勧めています。
うんちの量が減ったり止まったりした場合は、深刻な病気のおそれがあるため、すぐ獣医師に相談するよう呼びかけています。
うんちの大きさや数は、体格や食べている物で個体ごとに違います。
大切なのは、よその子の数字ではなく、その子の「いつものうんち」と比べることです。
次の表の項目を、ふだんの状態として覚えておきます。
| 見る項目 | ふだんの状態の目安 | 変化に気づいたときの見方 |
|---|---|---|
| 量・数 | いつもと同じくらいの粒が、ケージのあちこちに出ている | 減った・止まったは最も急ぐ変化 |
| 大きさ | 粒の大きさがそろっている | 小さい・細い粒が混じり始めたら記録を始める |
| 形 | 楕円から細長い粒で、形がはっきりしている | 形が崩れる、つながる、いびつになる |
| 硬さ | 乾いていて、つまむと形を保つ | やわらかい、べたつく、水のよう |
| 色 | 濃い茶色から黒っぽい色 | 赤い、極端に明るい、色が急に変わる |
| お尻まわり | きれいで乾いている | 便が付いている、詰まっている、濡れている |
モルモットは痛みを表に出しにくい動物です。うんちの数と形は、言葉の代わりに体調を知らせてくれる毎日の手紙と考えます。
モルモットは不調を隠しやすい
RSPCAは、モルモットは痛みがあっても外から分かるサインを見せないため、気づく前に苦しんでいることがあると説明しています。
日本獣医師会が公開しているモルモットの資料も、ほかのげっ歯類と同様に病気を隠し、外見からは症状が分かりにくいと記しています。
見た目が元気そうでも、うんちの変化があれば体の中で何かが起きていると考えて対応します。
食糞とは|自分のうんちを食べるのは正常な行動
モルモットが自分のうんちを食べる食糞は、病気でも癖でもなく、正常な行動です。
食糞とは、動物が自分の排泄した便を口にする行動のことで、モルモットではお尻に口を近づけて食べる姿がよく見られます。
日本獣医師会の資料は、モルモットがウサギと同様に食糞を行うと記しています。
獣医学の専門書であるMSD獣医マニュアルは、モルモットは食糞を行う一方で、ウサギのような盲腸便(セコトロープ)は作らないと説明しています。
食糞が栄養面でどう役立っているかは分かっていないとしつつ、食糞をできなくすると体重が減り、便に出るミネラルが増え、繊維の消化が落ちると記しています。
日本では「盲腸便を食べる」と説明されることもありますが、いずれにしても、食糞は止めずに見守ります。
食糞が気になるときに確かめること
食糞そのものは心配いりませんが、体の動きが不自由でお尻に口が届かない様子があれば、別の問題があるかもしれません。
太りすぎや体の痛みで体を丸められないと、お尻まわりに便がたまりやすくなります。
お尻の汚れが急に増えた場合は、後述する詰まりと合わせて確かめます。
異常なうんちと緊急度の早見表
異常なうんちのうち、最も急ぐのはうんちが出ない・減ったとき、水のような下痢、食欲の低下を伴うときです。
次の表は、公開されている獣医学の資料をもとに、気づいたときの緊急度を目安として整理したものです。
原因の判断は動物病院で行うもので、表は受診するかどうかを迷ったときの物差しとして使ってください。
| うんちの状態 | 資料で挙げられている背景の例 | 緊急度の目安 | 家でまずすること |
|---|---|---|---|
| 出ない・量が減った | 重い病気のおそれ(RSPCA) | すぐ相談 | 食べているかを確かめ、動物病院に連絡する |
| 水のような下痢 | 不適切な抗生物質、感染、急な食事の変更など | すぐ相談 | 食べた物と薬の有無をメモし、連絡する |
| 小さい・細い粒が増えた | 消化器の不調のサインの一つ(MSD) | 当日中に相談 | 食欲・水・体重を確かめ、写真を撮る |
| やわらかい・形が崩れる | 牧草の不足、ペレットの与えすぎ、食事の急な変更など | 当日中に相談 | 直近の食事の変化を書き出す |
| 毛でつながる | 毛づくろいで飲み込んだ毛。毛を吐き出せず、毛球症から腸閉塞になることがある(日本獣医師会) | 食欲があれば記録、減れば当日中に相談 | ブラッシングと牧草の量を見直す |
| 赤い・血のように見える | 便か尿かの区別が必要。尿なら膀胱炎・尿路結石でみられることがある | すぐ相談 | どこに付いていたか写真に残す |
| お尻に付く・詰まる | 便の詰まり(PDSA)、汚れはハエを呼ぶ(RSPCA) | 当日中に相談 | 無理に取らず、お尻の状態を確かめる |
| いつもと違う強いにおい | ビタミンC欠乏症で悪臭便がみられることがある(日本獣医師会) | ほかの症状と合わせて相談 | ビタミンCの与え方と食欲を確かめる |
MSD獣医マニュアルの飼い主向け解説は、消化器の不調のサインとして小さな便や下痢、脱水、体重の減少を挙げ、急に弱って亡くなる個体もいると注意しています。
英国の動物病院団体PDSAも、モルモットの胃腸の不調はすぐに深刻になりうると説明しています。
食べなくなった場合や激しい下痢のときは、特に獣医師に相談するよう勧めています。
赤い色に気づいたときは、便に血が付いているのか、尿が赤いのかで考えられることが変わります。
日本獣医師会の資料は、膀胱炎や尿路結石で血尿がみられると記しているため、どちらか分からなくても受診して確かめます。
うんちが小さい・少ないとき|家で確かめること
うんちが小さい・少ないと気づいたら、まず食べているか、水を飲んでいるか、体重が減っていないかを確かめます。
うんちの変化は、食べる量が落ちた結果として現れることが多いため、入口と出口をセットで見ます。
MSD獣医マニュアルは、よだれが出ている、または食べなくなった場合はすぐ獣医師に診せるよう勧めています。
- 牧草の減り:前日に入れた牧草がどれだけ残っているかを見ます。好物の野菜だけ食べて牧草が減っていない場合も要注意です。
- 水の減り:ボトルや皿の水位を前日と比べます。
- 体重:キッチンスケールで量り、いつもの値と比べます。
- 口元:よだれで口のまわりの毛が濡れたり汚れたりしていないかを見ます。
- 姿勢:うずくまったまま動かない、歯ぎしりをしているといった様子がないかを見ます。
- 室温:暑すぎたり寒すぎたりしていないかを温度計で確かめます。
食べない様子が重なっている場合は、モルモットが食べない|半日を超えたら病院へで考え方を整理しています。
体重の量り方は、モルモットの体重|週1回の計量で病気に早く気づくが参考になります。
歯の問題で食べにくくなると、前歯が正常に見えても奥歯に異常がある場合があると、MSD獣医マニュアルは説明しています。
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うんちの記録の仕方|毎朝の定点観察5つの手順
うんちの変化に早く気づくには、毎朝同じ時刻・同じ方法で見て、写真とメモを残すのが確実です。
「なんとなく少ない気がする」を、比べられる記録に変えることが目的です。
- 同じ時刻に見る:朝の掃除の前など、1日のうちで決まった時刻にケージをのぞきます。
- 決まった場所を見る:トイレや寝床の対角など、うんちがたまりやすい一か所を毎回の定点にします。
- 10粒を並べて撮る:白い紙の上に10粒ほど並べ、定規を一緒に写して大きさをそろえて記録します。
- 形・硬さ・色をメモする:「そろっている」「小さい粒が混じる」「やわらかい」など、短い言葉で残します。
- 食欲と体重を並べて書く:牧草の減りと体重を同じ記録に書き、変化が重なっていないかを見ます。
| 日付 | 粒の量(いつもと比べて) | 大きさ・形 | 硬さ | 牧草の減り | 体重 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 例:月曜 | いつもどおり | そろっている | 乾いている | ほぼ完食 | 前週と同じ | 特になし |
| 例:火曜 | やや少ない | 小さい粒が混じる | 乾いている | 半分残る | 量っていない | 部屋が寒かった |
| 例:水曜 | 少ない | 小さく細い | やや硬い | ほとんど残る | 前週より減少 | 動物病院に連絡 |
表は記録の書き方の例です。
数字を正確に数えるより、毎日同じ物差しで「いつもと比べてどうか」を書き続けることが、変化に気づく近道です。
床材の色や形によってはうんちが見つけにくくなるため、モルモットの床材|足の裏で選ぶも参考にしてください。
下痢を防ぐ暮らし方|食事の急な変更を避ける
モルモットの下痢を防ぐ基本は、牧草を主食にし、食事を急に変えず、自己判断で薬を与えないことです。
日本獣医師会の資料は、下痢を発症させやすい要因を挙げています。
急激な食餌の変更、不適切な抗生物質の投与、過密な飼育、高い湿度、ストレス、繊維の少ない食餌などです。
MSD獣医マニュアルも、牧草が少なすぎたりペレットが多すぎたりすると、下痢やガス、膨満、食欲の低下を起こしうるとしています。
- 牧草を切らさない:いつでも食べられる量を入れておきます。選び方はモルモットの牧草の選び方|一番刈りを主食にするで整理しています。
- 新しい食べ物は少しずつ:ペレットの銘柄を替えるときや新しい野菜を足すときは、少量から数日かけて慣らします。
- 果物はおやつの量に:糖分の多い物は量と頻度を決めて与えます。目安はモルモットに果物はあげていい?|量と頻度の目安を参考にしてください。
- ビタミンCを毎日:モルモットは体内でビタミンCを合成できません。補い方はモルモットのビタミンC|体内で作れないから毎日足すで解説しています。
- 薬は獣医師の指示で:MSD獣医マニュアルは、ほかの動物に安全な抗生物質でもモルモットには害になるものがあり、獣医師の指導なしに薬を与えないよう注意しています。
お尻の汚れと便の詰まり|ハエが寄る前に気づく
お尻まわりに便が付いていたり、便が詰まっていたりする状態は、不快なだけでなく、暑い時期にはハエを呼ぶ原因になります。
PDSAは、便が直腸やお尻のまわりにたまる「便の詰まり」がないかを確かめるよう勧め、詰まりはモルモットにとって非常に不快だと説明しています。
RSPCAは、尿の汚れや付着した便がハエを引き寄せ、致命的になることが多いハエ症(フライストライク)につながると説明しています。
暑い時期は、お尻まわりの毛と皮膚を1日2回確かめるよう呼びかけています。
- 毎日の確認:抱き上げたときや掃除のときに、お尻が乾いてきれいかを見ます。
- 汚れていたら:無理にこすり取らず、汚れの範囲と便の様子を写真に残して動物病院に相談します。
- 長毛種:お尻まわりの毛に便が絡みやすいため、確認の回数を増やします。
- 部分的に洗う場合:手順と注意点はモルモットのお風呂|洗うのは汚れたときだけで整理しています。
動物病院に相談するときに伝えること
動物病院に相談するときは、いつから・どう変わったかを、写真と記録で具体的に伝えると診察の助けになります。
日本獣医師会の資料は、便や尿の検査は消化器の病気や寄生虫、泌尿器の病気の診断に欠かせないとしています。
そのうえで、自宅で自然に排泄した便や尿を、できるだけ新鮮な状態で持参してもらう方法を挙げています。
持っていく前に、病院に便を持参してよいかと、入れ物の指定を電話で確かめておきます。
- 変化に気づいた日時と、いつもとの違い(量・大きさ・形・硬さ・色)
- 毎朝の記録と、並べて撮ったうんちの写真
- 牧草・ペレット・野菜・果物の量と、最近変えた物
- 与えている薬やサプリメント、最近受けた治療
- 体重の推移と、食欲・水の量・元気の様子
- 室温や環境の変化(引っ越し、掃除の方法、同居の動物)
エキゾチックアニマルを診療できる動物病院は限られるため、迎えた時点で探しておくことが大切です。
探し方はモルモットの病院|迎える前に「診られる病院」を探すで整理しています。
よくある質問
モルモットのうんちは1日にどれくらい出るのが普通ですか?
参照した公的資料では、1日の数の一律の目安は示されていません。体格や食べる量で個体差があるため、RSPCAが勧めるように乾いたうんちがたくさん出ているかを毎日確かめ、その子のいつもの量と比べることが大切です。毎朝同じ時刻に記録すると変化に気づきやすくなります。
モルモットが自分のうんちを食べるのは病気ですか?
病気ではなく、正常な行動です。日本獣医師会の資料はモルモットがウサギと同様に食糞を行うと記し、MSD獣医マニュアルは食糞をできなくすると体重が減り、繊維の消化が落ちると説明しています。食糞は止めずに見守ります。
うんちが小さいときは様子を見てもいいですか?
小さな便は消化器の不調のサインの一つとされるため、食欲・水の量・体重をすぐに確かめます。食べる量も減っている場合は、当日中に動物病院へ相談するのが目安です。うんちの量が減る、または止まっている場合は、すぐに相談してください。
モルモットが下痢をしたらどうすればいいですか?
早めに動物病院へ相談してください。モルモットの胃腸の不調はすぐに深刻になりうるとされ、特に食べなくなった場合や激しい下痢のときは急ぎます。自己判断で薬を与えず、便の写真や食べた物の記録を持って受診します。
うんちや床材が赤く見えるときは何が考えられますか?
便に血が付いているのか、尿が赤いのかで考えられることが変わります。モルモットでは膀胱炎や尿路結石で血尿がみられることがあると、日本獣医師会の資料に記されています。どちらか分からなくても、写真を撮って動物病院に相談してください。
お尻にうんちが付いているときはどうすればいいですか?
無理にこすり取らず、汚れの範囲を写真に残して動物病院に相談します。便の詰まりはモルモットにとって不快で、付着した便や尿の汚れはハエを呼ぶ原因になります。RSPCAは暑い時期にお尻まわりを1日2回確かめるよう勧めています。
まとめ
モルモットのうんちは、いつもの量・大きさ・形・硬さと比べることで健康の変化に早く気づける指標で、減る・止まるときはすぐ動物病院に相談します。
毎日の確認では、次の点を押さえます。
- 正常の目安:乾いた粒が、いつもと同じくらいたくさん出ていること。
- 食糞:自分のうんちを食べるのは正常な行動で、止めずに見守ります。
- 急ぐ変化:出ない・減った、水のような下痢、赤い色は、すぐ相談します。
- 家での確認:牧草の減り、水、体重、口元のよだれ、姿勢をセットで見ます。
- 記録:毎朝同じ時刻・同じ場所で、10粒を定規と一緒に撮ります。
- お尻:汚れや詰まりはハエを呼ぶため、暑い時期は1日2回確かめます。
参照した一次・公式資料
- RSPCA「Guinea pig health and welfare」(2026年10月確認)
- MSD Veterinary Manual「Common Health Problems of Guinea Pigs」(2026年10月確認)
- MSD Veterinary Manual「Anatomy, Physiology, and Behavior of Guinea Pigs」(2026年10月確認)
- 公益社団法人日本獣医師会 公開資料「モルモット」(PDF)(2026年10月確認)
- PDSA「Guinea pig health」(2026年10月確認)
本記事は一般的な飼育情報で、診断の代わりにはなりません。うんちの数や大きさには個体差があり、緊急度の表は公開資料をもとにした目安です。気になる変化があるときは、小動物・エキゾチックアニマルを診療できる動物病院に早めに相談してください。情報は2026年10月時点のものです。

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