結論から。モルモットが食べない状態は、半日(約12時間)を超える前に動物病院へ連絡するのが目安です。
モルモットは牧草を食べ続けることで腸を動かしている動物で、食べない時間が長いほど消化管の動きが落ちやすくなります。
うんちが小さい・少ない、背中を丸めて動かないといった変化が重なるなら、半日を待たずに連絡してください。
この記事では、原因の見当のつけ方、家で確かめる順番、受診時に伝えることを、時間の流れに沿って整理します。
- 獣医学系の資料は、食べない・うんちが減った時点での受診を勧めている
- 消化管うっ滞は治療しないと24〜48時間で命に関わるとされる
- 強制給餌や人の薬は自己判断で始めず、獣医師の指示に従う
モルモットが食べないとき、様子見は半日までが目安
モルモットが食べないときの様子見は、長くても半日(約12時間)までを目安にしてください。
英国の動物福祉団体RSPCAは、食べ方や飲み方の変化、うんちの減少や停止を重大なサインとしています。
その場合は「すぐに獣医師に相談を」というのがRSPCAの呼びかけです。
獣医学系の資料が示しているのは「何時間までなら待てる」という猶予ではなく、気づいた時点で動くことです。
それでも半日という上限を置くのは、病院に着くまでの時間を見込むためです。
獣医師監修の解説(PetMD)では、消化管うっ滞は治療しなければ24〜48時間で重い状態や死に至りうるとされています。
連絡、移動、診察、処置までを考えると、家で迷っていられる時間は長くありません。
| 家で見えている状態 | 急ぎ度の目安 | 取る行動 |
|---|---|---|
| 好物は食べるが、牧草の減りがいつもより少ない | 低〜中 | その日のうちにうんちと体重を確認。翌日も続くなら受診を予約 |
| 牧草もペレットも、ほとんど口にしない状態が数時間 | 中 | うんちと体重を確認し、かかりつけ病院へ電話で相談 |
| ほとんど食べない状態が半日(約12時間)続く | 高 | その日の診療時間内に受診 |
| うんちが出ない、または極端に小さく少ない | 高 | 食べない時間の長さに関係なく、早急に受診 |
| 背中を丸めて動かない、歯ぎしり、お腹が張っている | 高 | すぐに受診。夜間なら夜間対応の病院へ連絡 |
| 口を開けて呼吸している、呼びかけに反応が鈍い | 最優先 | ただちに受診 |
この表の急ぎ度は、一般的な資料と編集部の基準をもとにした目安です。
持病のある個体、高齢の個体、体の小さい個体は、より早めの判断が向いています。
迷ったときは「病院に電話して指示を仰ぐ」を選ぶと、判断を一人で抱えずに済みます。
時計より先に、ケージの床を見る。食べた量は見落としやすくても、うんちの数と大きさの変化は目で確かめられます。
モルモットが食べない主な原因は5つ
モルモットが食べない原因としてよく挙げられるのは、消化管うっ滞、歯の不正咬合、ビタミンC不足、暑さ寒さ、ストレスの5つです。
実際には複数が重なることも多く、家で原因を一つに決めることはできません。
ここでの整理は、受診時に獣医師へ伝える情報を集めるための手がかりと考えてください。
消化管うっ滞とは、胃腸の動きが落ち、食べた物やガスが腸の中にとどまってしまう状態です。
牧草の不足、水分不足、痛み、ストレスなどがきっかけになるとされます。
食べないことでさらに腸が動かなくなる悪循環に入りやすい点が特徴です。
| 原因 | 家で見えやすいサイン | 背景にあること |
|---|---|---|
| 消化管うっ滞 | うんちが小さい・少ない・出ない、お腹の張り、丸まった姿勢、歯ぎしり | 牧草不足、水分不足、痛みやストレス |
| 歯の不正咬合 | よだれ、口元や前足の濡れ、食べこぼし、体重減少 | 歯が一生伸び続け、繊維の少ない食事で削れにくくなる |
| ビタミンC不足 | 歩きたがらない、関節の腫れ、毛のぱさつき、食欲の低下 | 体内で合成できず、ペレットのビタミンCは時間とともに減る |
| 暑さ・寒さ | 暑い日に伸びたまま動かない、寒い日に丸まって動かない | 飼育の適温とされる18〜24℃から外れた環境 |
| ストレス | 隠れて出てこない、物音に過敏になる | お迎え直後、引っ越し、同居個体の変化、食事の急な切り替え |
| その他の病気 | 血尿や排尿時の力み、鼻水やくしゃみ、呼吸の乱れ | 尿路結石や呼吸器の病気など、痛みや発熱を伴うもの |
歯の不正咬合は、前歯がきれいでも起こる
モルモットの歯は前歯も奥歯も一生伸び続けます。
MSD Veterinary Manualは、前歯が正常に見えても奥歯に問題があることが多いとしています。
奥歯のとがりや伸びすぎは家では見えないため、よだれや食べこぼしがあれば歯の診察を受ける理由になります。
ビタミンC不足は、毎日の補給が途切れたときに起こる
モルモットはビタミンCを体内で作れないため、食事から毎日とる必要があります。
必要量は体重1kgあたり1日10mg以上、妊娠中は30mgとされています。
補給の考え方はモルモットのビタミンC|体内で作れないから毎日足すで詳しく整理しています。
暑さ寒さとストレスは、環境を戻せば回復することもある
飼育に向く室温は18〜24℃とされ、ここから外れた日に食欲が落ちる個体は少なくありません。
室温を戻して数時間で食べ始めるなら環境が原因だった可能性がありますが、食べない状態が続くなら病気を疑います。
季節ごとの調整はモルモットの夏の暑さ対策|冷房・測る高さ・湿度とモルモットの冬の寒さ対策|床から冷えるにまとめています。
お迎え直後に食べない場合は、モルモットのお迎え初日|触らないほど早いも参考になります。
牧草だけ残す・野菜だけ食べるときの読み方
何を食べて何を残すかは、原因を絞る手がかりになり、特に「硬い物だけ残す」食べ方は歯のトラブルを疑うきっかけになります。
まったく食べないわけではないため見過ごされやすいものの、牧草の量が減れば腸の動きも落ちていきます。
食べ方の偏りが2日以上続くなら、全体の量が足りていても受診を考えてください。
| 食べ方の偏り | 考えられること | 次に確かめること |
|---|---|---|
| 牧草を残し、ペレットや野菜は食べる | 奥歯で噛み切りにくい、牧草の香りや硬さが変わった、おやつの与えすぎ | 牧草の袋やロットが変わったか。体重が減っていれば歯の診察へ |
| 柔らかい葉物だけを食べる | 噛む動作に痛みがある | よだれ、口元の濡れ、食べこぼしの有無 |
| 口に入れては落とす、噛むのが遅い | 歯や口の中の痛み | 早めに受診し、奥歯を診てもらう |
| 好物の野菜にも反応しない | 全身状態の悪化 | うんちと姿勢を確認し、すぐに受診 |
| 水を飲む量が急に減った | 脱水が進むおそれ。1日の水分必要量は体重1kgあたり約100mLとされる | ボトルの減りと、うんちの乾き具合 |
牧草を食べなくなったときに、ペレットや野菜を増やして補うのは避けます。
MSD Veterinary Manualは、繊維の不足やペレット・糖分の多い食事が腸の動きを遅くするとしています。
その結果として起こるのが、食欲低下やガス、お腹の痛みです。
牧草の質を見直す場合はモルモットの牧草の選び方|一番刈りを主食にするを参考に、急に全部を替えず少しずつ混ぜて移行します。
家で確かめる順番は「うんち・体重・口元・姿勢・室温」
食べないと気づいたら、うんち、体重、口元、姿勢、室温の順に確かめると、受診時に必要な情報が短時間でそろいます。
どれも数分でできることで、確認のために長く体を触る必要はありません。
具合が悪い個体を何度も抱き上げると負担になるため、体重測定以外はケージ越しに見ます。
- うんちを確かめる:床のうんちを一度片付け、1〜2時間後に新しいうんちが出ているかを見ます。いつもの粒と比べて小さい、細い、数が少ないなら要注意です。
- 体重を量る:キッチンスケールに容器を載せて目盛りをゼロにし、モルモットを入れて量ります。普段の記録と比べ、記録がなければ今の数字と時刻を残します。
- 口元とあごを見る:口の周りや前足がよだれで濡れていないか、前歯が欠けたり伸びすぎたりしていないかを見ます。奥歯は家では見えません。
- 姿勢と動きを見る:背中を丸めてじっとしていないか、歯ぎしりをしていないかを見ます。お腹の張りや、触られるのを強く嫌がる様子も確かめます。
- 室温と水の減りを見る:ケージの近くの温度計で室温を確かめ、給水ボトルの水位が前日からどれだけ減ったかを見ます。
成体の体重の平均は、メスで700〜900g、オスで900〜1,200gとされています。
数字そのものより、その個体の普段の値からどれだけ動いたかが大切です。
食べた物が便として出るまでの時間(消化管の通過時間)は、平均20時間とされています。
そのため、食欲の変化とうんちの変化には時間差が生じることがあります。
そのため「うんちはまだ出ているから大丈夫」とは言い切れず、食べない時間そのものも記録しておきます。
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食べないときにしてはいけない4つの対応
食べないときに避けたいのは、自己判断の強制給餌、人や他の動物の薬、好物での釣り続け、様子見の先延ばしの4つです。
どれも「何かしてあげたい」という気持ちから出やすい行動ですが、原因によっては状態を悪くするおそれがあります。
- 自己判断でシリンジ給餌を始めない:強制給餌は、獣医師が状態を見たうえで補液とあわせて始めることがある処置です。量や方法を誤ると誤って気管に入るおそれがあり、歯の痛みや腸の詰まりが原因なら負担にもなります。始めるのは、量・回数・方法の指示を受けてからにします。
- 人用・犬猫用の薬やサプリを与えない:RSPCAは、獣医師が処方した薬以外は与えないよう呼びかけています。他の動物向けの薬がモルモットには危険な場合があるためです。
- 果物やおやつで釣り続けない:糖分の多い物は腸内のバランスを崩しやすく、牧草を食べない状態を長引かせることがあります。食いつきを確かめる目的でも、少量にとどめます。
- 「明日の朝まで」を繰り返さない:夜に気づいた場合、翌朝の診療開始時刻に電話できるよう準備しておきます。朝になっても食べていなければ、その日のうちに受診します。
夜間や休日に備えて、診てもらえる病院を前もって調べておくことも大切です。
探し方はモルモットの病院|迎える前に「診られる病院」を探すで整理しています。
受診時に伝えることと持っていくもの
受診時は「最後にしっかり食べた時刻」「うんちの変化」「体重の推移」の3つを伝えると、診察の手がかりになります。
緊張していると話が前後しやすいため、スマートフォンのメモに書き出してから家を出ます。
メモしておくこと
- 最後に牧草をよく食べていた時刻と、食べない状態に気づいた時刻
- うんちの数・大きさ・形の変化(写真があると伝わりやすい)
- 今日の体重と、直近の記録
- 普段の食事(牧草の種類、ペレット名、野菜の種類、ビタミンCの補給方法)
- 最近の変化(食事の切り替え、引っ越し、同居個体、室温の変化)
- よだれ、歯ぎしり、尿の色、呼吸の様子など気づいたこと
持っていくもの
- キャリー(床にタオルや床材を敷き、いつもの牧草を少し入れる)
- 新しいうんちを数粒(袋やラップで包む)
- 普段食べているペレットと牧草を少量
- 季節に合わせた温度対策(夏は保冷剤をタオルで包む、冬はカイロをキャリーの外側に)
移動中の温度変化も負担になるため、真夏や真冬はキャリーごとタオルで覆い、車内の温度を先に整えてから乗せます。
水はキャリー内でこぼれやすいので、移動が短ければ野菜で水分を補う方法もあります。
食べない日に早く気づくための毎日の見回り
食べない状態に早く気づくには、牧草の減り、うんち、体重を、毎日同じ条件で見る習慣が役立ちます。
モルモットは体調の悪さを隠しやすい動物とされ、気づいたときには進んでいることがあります。
普段の数字を持っていれば、変化を「なんとなく」ではなく比較で判断できます。
- 朝と夜に牧草の減りを見て、いつもの量と比べる
- うんちの大きさと数を、いつもの粒と見比べる
- 週1回、同じ時刻・同じはかりで体重を量って記録する
- ビタミンCを含む野菜や補助食品を毎日入れる
- ペレットは開封日を書き、早めに使い切る
- ケージ付近の室温を18〜24℃に保つ
- 食事の切り替えは、少しずつ混ぜて時間をかける
ペレットのビタミンCは、熱や光、湿気で時間とともに減るとされています。
選び方と保管はモルモットのペレット|原材料の1番目を見る、水の減りの見方はモルモットの水入れ|ボトルと皿は両方置くを参考にしてください。
よくある質問
モルモットが半日ご飯を食べないのは危険ですか?
半日(約12時間)ほとんど食べない状態は、受診を考える目安です。獣医学系の資料は、食べない時点で速やかに獣医師へ相談するよう勧めています。うんちが減っている、背中を丸めているなどの変化があれば、半日を待たずに連絡してください。
牧草は食べないのにペレットや野菜は食べるのはなぜですか?
奥歯で硬い牧草を噛み切りにくくなっている可能性があります。牧草のロットが変わった、おやつが多いといった理由のこともあります。体重が減っている、よだれが出ているなら、歯の診察を受けてください。
夜中にモルモットが食べないことに気づいたらどうすればいいですか?
うんち、体重、姿勢を確かめ、急いだ方がよいサインがあれば夜間対応の病院へ連絡します。目立つサインがなければ、室温を整えて牧草と水を置き、翌朝の診療開始時刻に電話できるよう準備します。朝になっても食べていなければ、その日のうちに受診してください。
モルモットは何時間くらい食べなくても大丈夫ですか?
安全といえる時間は、獣医学系の資料では示されていません。消化管うっ滞は治療しなければ24〜48時間で命に関わることがあるとされます。この記事では、迷ったときの上限の目安を半日としています。
食べないとき、家でシリンジで強制給餌をしてもいいですか?
獣医師の指示を受けてから行ってください。強制給餌は、原因や体の状態を確かめたうえで、量と回数を決めて行う処置です。自己判断で始めると、誤って気管に入るおそれや、原因によっては負担になるおそれがあります。
暑い日や寒い日にモルモットの食欲が落ちるのは普通ですか?
室温が適温から外れると、食欲が落ちることはあります。飼育の適温は18〜24℃とされるため、まず室温を戻して様子を見ます。室温を整えても数時間たって食べない、うんちが減っている場合は、病気の可能性を考えて受診してください。
まとめ
モルモットが食べないときは、半日(約12時間)を上限の目安に、それより前に動物病院へ連絡することを考えてください。
うんちの変化や痛みのサインがあれば、時間に関係なく早めの受診が向いています。
- 時間の目安:ほとんど食べない状態が半日続く前に連絡し、うんちが出ないならすぐ受診する
- 原因の見当:消化管うっ滞、歯、ビタミンC不足、暑さ寒さ、ストレスが重なることもある
- 家での確認:うんち、体重、口元、姿勢、室温を数分で確かめてメモする
- 避けること:自己判断の強制給餌、人や他の動物の薬、おやつでの釣り続け
- 予防の習慣:牧草の減り、うんち、週1回の体重を同じ条件で見続ける
参照した一次・公式資料
- MSD Veterinary Manual「Common Health Problems of Guinea Pigs」(2026年10月確認)
- MSD Veterinary Manual「Nutritional Problems of Guinea Pigs」(2026年10月確認)
- MSD Veterinary Manual「Physiological Data for Guinea Pigs」(2026年10月確認)
- RSPCA「Guinea pig health and welfare」(2026年10月確認)
- PetMD「GI Stasis in Guinea Pigs: Causes and When To Call Your Vet」(獣医師監修)(2026年10月確認)
本記事は一般的な飼育情報で、診断の代わりにはなりません。時間や急ぎ度の目安は資料と編集部の基準にもとづく一般的なもので、年齢・持病・体格によって適切な判断は変わります。モルモットが食べない、うんちが減ったなどの変化があれば、小動物・エキゾチックアニマルを診療できる動物病院へ相談してください。情報は2026年10月時点のものです。

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