服についた猫の毛を洗濯で取る方法|洗う前・洗濯中・乾燥後の3段階

服についた猫の毛を洗濯で取る方法|洗う前・洗濯中・乾燥後の3段階

服についた猫の毛を洗濯で取るには、洗濯機に入れる前に、乾いた状態で毛を落としておくことがいちばん効きます。洗濯機の水の中では、毛は落ちるより先にほかの衣類へ移りやすいからです。そのうえで、洗う量を減らして水位を確保し、糸くずフィルターに毛を集め、乾いたあとに残りを取る。前・中・後の三段で考えると、「洗ったのに取れない」はほとんど解消します。

洗い上がったTシャツを干そうと広げたら、裏側にびっしりと白い毛。タオルにも靴下にも、同じ毛が散っている。猫と暮らしていると、洗濯は毛を落とす作業というより、毛を家じゅうの布に配り直す作業になりがちです。順番を少し変えるだけで、その行き先は変えられます。

目次|気になるところから読む
  1. 洗濯で猫の毛が取れない3つの理由
  2. 洗う前:乾いた状態で落とすのが最も効く
  3. 洗濯中:量・水位・ネット・分け洗い
  4. 糸くずフィルターと洗濯槽:毛の行き先をつくる
  5. 乾燥:低温か吊り干し。高温を避ける理由
  6. 乾いたあと:残った毛の取り方と柔軟剤の代わり
  7. よくある質問
  8. 毛は水で流すより、乾いた手で先に落とす
  9. 参考資料
目次

洗濯で猫の毛が取れない3つの理由

洗濯機に任せても毛が残るのには、はっきりした理由があります。

水の中で、毛はほかの衣類に移る

洗濯槽の中では、生地から離れた毛は水に浮いて漂います。排水で流れ出る毛もありますが、残りは回っている別の衣類にからみ、脱水で押しつけられます。毛がついていなかったタオルや下着に、洗濯後に毛が増えているのはこのためです。

濡れた毛は、生地に沿って貼りつく

乾いた毛は生地から立ち上がって浮いていますが、濡れると生地の表面に沿って寝て、乾くまで離れにくくなります。洗い上がりに毛がべったりと張りついて見えるのは、毛が増えたのではなく、乾いたときより取りにくい状態に変わったということです。

裏返し洗いは、表の毛を内側に閉じ込める

プリントTシャツは裏返して洗うのが基本です。こすれる面を裏側に入れ替えて、プリントを守るためです。ただ、表に毛がついたまま裏返すと、毛は筒の内側に閉じ込められます。水が通りにくい内側で毛が回り続け、乾いたあとに内側からまとまって出てきます。裏返す前に表の毛を落としておく理由は、ここにあります。

もう一つ、生地の表面にループや毛足があると、洗っても毛は残ります。愛媛県産業技術研究所などの共同研究では、同じ綿100%のタオルでも、表面を平織のガーゼにした構造は、ループが表に出た従来のタオルより、洗濯・乾燥後に残る毛が約3割少なくなりました。毛は水流だけでは抜けきらず、表面の作りに左右されます。

洗う前:乾いた状態で落とすのが最も効く

毛が最も取れやすいのは、乾いていて、まだほかの衣類と混ざっていない今です。洗濯機に入れる前の数分で、洗い上がりは大きく変わります。

  1. 脱いだらすぐ、掃除しやすい場所で軽くはたく:玄関や浴室など、落ちた毛をあとで集めやすい場所で。猫のいる部屋の中で振ると、毛が床と空気に散ります
  2. 柔らかいブラシで一方向に払う:肩から裾へ、毛並みをそろえるように。往復させると毛が編み目に入り込みます
  3. 少し湿らせたゴム手袋で表面をなでる:手のひらで生地を軽くなでると、細い毛が寄り集まって固まりになります。集まった毛はつまんで捨てます
  4. 粘着ローラーを押し当てて転がす:最後に残った細い毛を取ります。プリント面はこすらず、軽く押して転がすだけにします
  5. 表が済んでから裏返す:裏返したら、裏面も同じように軽く払います。肌に触れていた側にも、毛は入り込んでいます

毛の量で、洗う前の手間を変える

毎回すべての手順を踏む必要はありません。服についた毛の量で、どこまでやるかを決めます。

数本が目につく程度
粘着ローラーだけで済ませる。汗をかいていなければ、毛のためだけに洗う必要はない
抱っこや膝の上で、面で毛がついた
ブラシ→ゴム手袋→ローラーの順で落としてから、裏返して洗濯へ
猫が服の上で寝ていた
毛が編み目の奥まで入り込んでいる状態。乾いた状態で表裏とも落とし、その回はほかの衣類を少なくして洗う
毛が湿った状態でついている
無理にこすらず、一度乾かしてから落とす。湿ったままでは毛が寝て、ローラーにもつきにくい

猫のベッドカバーやブランケットのように毛が大量についた布は、服と同じ洗濯機に入れる前に、外で毛を落とせるだけ落としておきます。量の多い毛は、洗濯槽の中で服に回る毛の供給源になるからです。

洗濯中:量・水位・ネット・分け洗い

洗濯機の中では、「毛を服から離す」ことと「離れた毛を服に戻さない」ことを同時に考えます。

量は少なめ、水位は量に合わせる
洗濯機には水位ごとに洗える衣類の重さが表示されています。毛の多い回は詰め込まず、表示に合った水位を選びます。日本電機工業会も、洗濯物を入れすぎると衣類の回りが悪くなると案内しています
1枚ずつネットに入れる
目の細かいネットにTシャツ1枚ずつ。ほかの衣類から外れた毛が直接触れる面を減らせます。何枚も詰めると、ネットの中で毛が移り合います
猫用の布とは分ける
猫の寝床カバー、ブランケット、タオルなど毛の多いもの・毛羽の出るものとは、別の回にします
洗剤は表示の目安量
必要以上に入れても汚れ落ちは変わらないと、日本電機工業会は案内しています。多すぎる洗剤はすすぎ残りの原因にもなります

NYXARIAのTシャツは、裏返して冷水〜30℃以下・弱水流、中性洗剤で、同系色と一緒に洗うのが自社の指定です。毛の多い回でも、温度や水流を上げて取ろうとはしません。毛を落とす仕事は洗う前に済ませておき、洗濯機には汚れと汗を任せる、と役割を分けて考えると、指定を守ったまま毛が残りにくくなります。

コインランドリーを使うとき

大物を洗うためにコインランドリーを使う場合は、自治体の衛生指導の決まりを知っておくと安心です。たとえば神戸市や静岡市のコインランドリー営業施設の衛生指導要綱では、営業者が利用者に周知する事項として「動物の敷物等の洗濯の禁止」が挙げられ、専用の洗濯機を設置している場合は除くとされています。猫の寝床やブランケットは、専用と表示された機械がある店で洗うか、家で分けて洗います。

糸くずフィルターと洗濯槽:毛の行き先をつくる

洗濯機の中で服から離れた毛には、行き先が二つしかありません。ほかの衣類に戻るか、フィルターと排水に出ていくかです。後者を太くしておくのが、洗濯中の毛対策の仕上げです。

  • 糸くずフィルターは、毛の多い服を洗った回ごとに空にする:たまった状態では、次に集められる量が減ります
  • 洗い終わったら、洗濯槽の内側を確かめる:槽の壁や底に毛が残っていたら、乾いた布で拭き取ってから次の洗濯へ
  • 洗濯槽のお手入れは取扱説明書の方法で:日本電機工業会は、日常の手入れとして取扱説明書の「洗濯槽のお手入れ」に従うよう案内しています
  • 乾燥機能を使うなら、乾燥フィルターもこまめに掃除する:目詰まりすると乾燥時間が長くなると、同じく日本電機工業会が案内しています

乾燥時間が長くなるということは、衣類が熱にさらされる時間も長くなるということです。乾燥フィルターの掃除は、毛対策であると同時に、熱を避けたい服を守る手入れでもあります。

乾燥:低温か吊り干し。高温を避ける理由

NYXARIAのTシャツのお手入れでは、乾燥機は高温を避け、低温乾燥または吊り干しと定めています。乾燥機の回転と風は、生地から離れた毛をフィルターへ運ぶので、毛取りとしては役に立ちます。使う場合は、低温に限るという条件付きです。

洗濯表示でいう「低温」と「高温」

消費者庁が示す洗濯表示(令和6年8月20日以降)では、タンブル乾燥の記号の中のドットの数で、排気温度の上限を表します。

ドット1個(低温乾燥)
排気温度の上限は最高60℃
ドット2個(高温乾燥)
排気温度の上限は最高80℃
×印
タンブル乾燥はできない

自社表記の「低温乾燥」は、この表の低温側に当たる設定です。商品本体のケアラベルがある場合は、そちらの表示を優先してください。

高温を避けるのは、素材ごとに理由が違うから

Black・Navy・White(リングスパンコットン100%)
水と高い熱が同時に加わると、綿の繊維が戻ろうとして縮みにつながる。気をつける先は縮みと色の変化
Sport Grey(綿90%・ポリエステル10%)
混紡で縮みは出にくい側だが、ポリエステルは熱に弱く、高温では風合いが硬くなったりテカりが出たりする
プリント面(DTG)
インクが繊維に染み込んでいるため、生地が熱で傷めばプリントの見え方も一緒に変わる

乾燥機を使うなら、低温で、乾ききる手前で取り出して形を整えます。回し続けるほど、熱にさらされる時間は長くなります。乾燥機を使わない日は、脱水後に一度大きく振ってから、厚みのあるハンガーで裏返したまま吊るします。振るだけでも、濡れて寝ていた毛の一部は離れます。

干す場所にも一つ工夫があります。猫が近づけない部屋やカーテンの内側に干すと、乾く途中の服に新しい毛がつくのを防げます。部屋干しが続く季節は、身頃どうしを重ねずに風を通し、乾くまでの時間を短くすると、においの面でも有利です。干し方の詳しい手順はプリントTシャツの部屋干し臭を乾く時間で防ぐ方法にまとめています。

乾いたあと:残った毛の取り方と柔軟剤の代わり

洗濯で残った毛は、乾いてから取ります。濡れているあいだは貼りついていた毛も、乾けば再び浮き上がり、ブラシとローラーで取れる状態に戻ります。

  1. 裏返したまま、内側の毛をローラーで取る
  2. 表に返して、ブラシで一方向に払う
  3. プリント面は粘着ローラーを押し当てて転がすだけにする
  4. 取り終えたら、猫が乗らない扉つきの収納へしまう

両面にプリントのあるEMERALD BLOOM CAT Tシャツ(¥4,500)のような一枚は、背中側にも絵柄があります。前を終えたら後ろも同じように、押さえて転がすだけで仕上げます。フロントの絵柄が大きいNOCTURNE ECHO CAT V2 Tシャツ(¥3,500)も、胸の面はこすらずに済ませます。

柔軟剤を使わずに、毛を寄せつけにくくする

猫の毛対策として、静電気を抑える柔軟剤がよく挙がります。ただ、NYXARIAのTシャツは柔軟剤を使わない指定です。柔軟剤は繊維の表面を膜で覆う働きをするため、インクを含んだ繊維の発色をぼかし、綿の吸水性も下げる方向に働きます。

柔軟剤を使わずに静電気を減らす手がかりは、湿度です。群馬県立産業技術センターの報告では、相対湿度40%と65%で糸の帯電を比べ、すべての糸で65%のほうが静電電位が小さくなりました。乾燥した季節は、部屋の湿度を保つ、乾かしすぎない、重ね着の内側に綿のインナーを挟むといった方法で、毛を引き寄せる電気そのものを減らします。

よくある質問

洗濯機で洗えば猫の毛は取れますか?
一部は取れますが、水の中で離れた毛はほかの衣類に移りやすく、濡れると生地に貼りつきます。洗う前に乾いた状態でブラシと粘着ローラーで落としておくのが、最も確実です。
柔軟剤を入れると毛が取れやすくなりますか?
一般には静電気対策として使われますが、NYXARIAのTシャツは柔軟剤を使わない指定です。代わりに、室内の湿度を保つ、乾燥機を低温で短く使うといった方法で静電気を減らします。
乾燥機は使ってもいいですか?
高温を避け、低温乾燥であれば使えます。洗濯表示では低温乾燥は排気温度の上限が最高60℃の区分で、乾ききる手前で取り出すと熱にさらす時間を短くできます。
洗濯ネットは毛対策になりますか?
なります。目の細かいネットに1枚ずつ入れると、ほかの衣類から離れた毛が直接触れる面を減らせます。
猫のブランケットと一緒に洗ってもいいですか?
分けて洗います。毛の多い布は洗濯槽の中で毛の供給源になり、服に毛が戻る原因になります。
洗濯槽に毛が残ったらどうしますか?
乾いた布で槽の内側を拭き取り、糸くずフィルターを空にしてから次の洗濯をします。定期的な手入れは、洗濯機の取扱説明書に書かれた方法に従います。

毛は水で流すより、乾いた手で先に落とす

服についた猫の毛は、洗う前・洗濯中・乾いたあとの三段で減らせます。乾いた状態で表の毛を落としてから裏返し、少なめの量を1枚ずつネットに入れて洗い、フィルターに毛を集める。乾燥は低温か吊り干しにして、残った毛は乾いてからローラーで取る。どの段も、特別な道具は要りません。

猫と暮らしていると、洗濯は毎日の仕事になります。毛を落とす順番が決まっていれば、お気に入りの一枚も、迷わず洗濯かごに入れられます。

猫と暮らす日に着るTシャツを見る

参考資料

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